女性特有の腰痛について

先日、東京出張に出向き今受けている講義で『女性特有の腰痛について』少し学んできました。
腰痛に悩んでる方に有益な情報と学びがあれば幸いです。
2回に分けて説明致します。

前編

エストロゲンの主な働き・・・受精卵を受け入れる準備
二次性徴・・・乳房の発達、輸卵管、子宮、膣の成長、子宮内膜の増殖と腺の発達、骨格(骨代謝のバランスをとる)
      タンパク質同化作用(タンパク質が細胞原形質に侵入→水を伴う=体液保留/体重増加)
      乳房、臀部、大腿への脂肪沈着。妊娠期に子宮の肥大。

プロゲステロンの主な働き・・・受精卵を受け入れる準備・子宮粘膜の脱落(月経)
子宮、妊娠の維持、乳腺コントロールの関与、子宮内膜での分泌を促進(子宮内膜を柔らかくする)、血管拡張、子宮頸部の弛緩
輸卵管内膜での分泌促進、乳房の小葉と腺の発達、排卵の抑制、電解質バランスとタンパク質異化に影響を及ぼす
骨盤全体の靭帯の弛緩

排卵前にエストロゲンが活発に出て
排卵後から月経までプロゲステロンが活発に作用する

月経困難、月経痛
『月経痛・生理痛』というよりも症状が重篤で、何等かの治療を必要とする場合をいう

月経困難症は月経の直前あるいは開始とともに症状が発現し、月経の終了前あるいは終了とともに
消失するのが一般的。

主として下腹部痛、腰痛など疼痛を主症状として現れる症候群。
婦人科疾患としては比較的頻度の高い疾患である。

月経困難症は、このように疼痛を主症状とするために月経痛症とも呼ばれるが
悪心、嘔吐、下痢、頭痛などさまざまな不快な症状を伴うことがある。

『症状』
下腹部・腰部症状ー下腹部痛、下腹部緊張感、不快感腰痛、腰部倦怠感

消化器症状ー胃痛、嘔気、嘔吐、下痢、食欲不振、食欲減退

血管神経症状ー頭痛、頭重感、冷汗、心悸亢進

精神症状ーイライラ、神経過敏、怒りやすい、憂鬱

全身症状ー全身倦怠感、易疲労感

その他ーめまい

『原因』
原発性、器質(続発)性ー子宮筋腫、子宮内膜症

1、子宮内膜でプロゲステロン(黄体ホルモン)から子宮筋の収縮物質である
 プロスタグランジン産生される。

2、したがって、子宮内膜が剥離した月経血中には多量のプロスタグランジンが含まれることがある。

3、プロスタグランジンによって子宮筋は過剰に収縮します(子宮平滑筋収縮増強)。

4、子宮筋の過剰収縮は子宮血流量を減少させてしまい虚血となり疼痛を引き起こします。
さらにプロスタグランジンは神経末端を刺激し疼痛閾値を低下させるため、痛みに過敏になる働きもある。

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